健診結果表作成って何?

 

 

所長の髙田です。

 

 

今日は三重県の鈴鹿市といなべ市での産業医活動でした。

 

 

 

 

鈴鹿市の工場では、工場の健康管理センター内に健診施設があり、

私はその健診結果表の作成をしています。

 

 

健診結果表の作成は、非常勤勤務の病院でも行っていますが、

 

健診結果表の作成って何?」

 

と医療職の方でも思われる方は多いです。

 

健診結果表は全自動で出来る訳では無く、

基本的には医師が内容をチェックします。

 

ただ施設によって、医師がどれだけ関与しているかは、

残念ながら差があります。

 

健診結果表にはコメント欄がありますが、そのコメント内容を見れば、

医師がどれだけしっかり関与しているかは、私はすぐに分かります。

 

 

鈴鹿市の工場で行っている健診結果表作成は、

一般的に病院で行う結果表作成と大きく異なる点があります。

 

それは 『産業医の目線』 でコメントを作成するということです。

 

つまり、その結果表のコメントそのものが、社員さんへの指導に

なりますので、就業の可否や適正配置を念頭に置いたコメントや、

保健指導内容をより細かく記載することを心がけています。

 

7000名近くの大規模事業所ですので、全員に面談するマンパワーは

当然なく、結果表のコメントが社員さんにとっての唯一の指導記録に

なる場合もありますので、その点は人一倍気を使います。

 

 

ここで、鈴鹿市の工場における健診結果表作成の流れを示します。

 

 

胸部X線・胃部X線・心電図の、外部判定医による要精査結果が

工場に届く。 

私が要精査対象者の胸部・胃部のX線所見や心電図を、

実際の写真等を見て所見を確認し、過去と同所見かどうか・

過去に精査歴があるかどうか、などをチェック。

 

過去と同所見で近年精査済の場合は要精査対象者から外す。

また要精査と判断した場合、癌が示唆される所見等の場合は、

健診結果表作成の前に社員さんと面談し、直接説明し、紹介状を

渡して受診を促す。

健診システムに全ての検査項目が自動および手動で判定された結果

が表示されるので、その判定で正しいかどうかを一つ一つ見て行く。

判定は

 「異常なし・軽度異常・経過観察・要二次検査・要受診・治療中」に

分けられるので、項目一つ一つを吟味して、手作業で修正していく。

項目の判定付けが終わったら、コメント作成に入る。

コメントは自動出力される分もあるが、基本的にはフリーハンドで入力。

その場合、項目ごとに行うのではなく、所見をまとめて保健指導的に

入力していく。必要があれば就業に関する内容もチェックする。

 

 

ざっとこんな感じです。

  

コメント作成で所見をまとめるというのは、関連する項目を

バラバラにするのではなく、保健指導的に記載するということです。

  

 

「脂質・肝機能・尿酸・血圧の値が全体的に上昇傾向です。

昨年からの体重増加やアルコールの摂り過ぎの影響が疑われます。

腹八分目やウォーキング・適切な飲酒習慣(週2日休肝日を作る、

1日1合量までにする)を心掛け、体重減量・節酒による生活習慣病

所見の改善に努めてください」

 

 

といったメタボリックシンドローム対策的なコメントが、典型的かと

思います。

 

その他にはたとえば

 

「高血圧を認めます。また尿蛋白や心電図異常(心筋障害疑い)も

認められます。高血圧は腎臓や心臓に慢性的な負荷をかけ、尿蛋白や

心電図異常の原因となります。お近くの循環器内科で定期的な管理を

受けるとともに、体重減量や節酒による血圧のセルフケアにも努めて

ください」

 

 

 

といったように項目ごとに記載せず、高血圧の合併症のサインについて

配慮したコメントを記載したりします。 

 

 

他には、問診票の自覚症状にも配慮して判定やコメントを記載します。

 

軽度の聴力異常を認めて、普通ならば経過観察とするところを、

耳鳴りの自覚症状の記載がある場合は、要二次検査の判定にしたり、

また加齢性ではなく騒音性難聴の可能性を疑った場合は、面談して、

作業内容や保護具の着用状況・作業環境測定結果などもチェック

します。

 

 

また定期健康診断では、上記のような生活習慣病や職業病のチェック

も出来ますが、最も気を遣うのはやはり癌です。

 

ですので、胃部・胸部X線結果について、心配な場合は必ず面談して

紹介状を直接渡し、また自分自身の目で写真を必ずチェックします。

 

定期健康診断結果で、血液検査で癌が見つかる可能性がある項目は

やはり血算です。

 

貧血はもちろんのこと、稀に汎血球減少を認める場合があります。

 

ただ汎血球減少の場合は、白血球・赤血球・血小板全てが

異常値とは限りません。

むしろ全ての数値が基準範囲という事もあります。

 

ではどうやって汎血球減少に気づくのかというと、

当然ながら前年度の結果との比較です。

 

前年度の結果をきちんと確認すれば、今年分の結果だけでは全て

基準範囲に入っているように見えても、実は前年の数値よりすべてが

低下していたということに気づけます。

 

 

また癌対策で、前年度の結果と必ず比較しておくべき項目が

他にもあります。

 

それは体重です。

 

今年の体重が58kgBMI19.0の場合、痩せ気味の人かなと

思ってそのまま流そうした時、ふと前年度の数値を見ると体重72kg

だったということもあります。

 

この場合、ダイエットしたのか、それとも身に覚えなくやせたのか、

ということを調べなければいけません。

 

実は癌で体重が減少していたということも、なくはないかもしれませんから。

 

もちろんその場合は、貧血の有無や、白血球数、胸部・胃部X線、

便検査などの項目もチェックします。

 

また前年度から体重が大きく落ちている場合、気を付けないと

いけないことが他にもあります。

 

一つはもちろんメンタルヘルス。

極端な体重増減から、メンタル不調者を見つける事は時々あります。

 

もう一つは糖尿病の悪化。これは血糖値を見ればすぐに分かります。

基本的に体重を減らせば血糖は改善するはずですが、

体重低下と血糖値上昇を同時に見る場合は糖尿病の悪化ですので。

 

他にも甲状腺機能亢進症や多量飲酒なども念頭に置き、

甲状腺であれば不整脈や低コレステロールの有無の確認や、

多量飲酒であればMCVの上昇や貧血なども含めた検討します

 

それらのチェック以外にも、白血球の軽度上昇を認める場合は、

喫煙の影響が疑われることを記載したり、胃部X線で胃炎を認める

場合は、ピロリ菌への注意はもちろんのこと、喫煙・アルコールの

摂り過ぎは食道・胃粘膜に負担をかける、といったことも記載します。

 

当たり前ですが人間の体は全てが連動しているので、健診結果を

見る時は連動性と経年変化に着目してチェックし、このようなことを

ブツブツ考えながら、一人当たりの結果表を平均2~3分で作ります。

 

 

本当はこれって凄く大変なんです。

 

産業医の立場での安全配慮義務の観点からのコメントはもちろん、

保健指導効果を上げるために、アルコールの注意喚起を生活習慣病

項目だけではなく、胃部X線所見のコメントにも入れたり、また職業病

や癌・メンタル不調を極力拾い上げるなど、注意するポイントが

多すぎますので。

 

でも残念ながら、私がこんなに大変な作業をしているってことは、

多分誰にも分ってもらえていないと思います。

 

何故ならば、やっぱり自分自身で実際にやったことが無ければ、

その苦労はわかりませんから。

 

だから工場での健診結果表作成の苦労を誰にも分ってもらえない

のは、まあ仕方ないと思っています。

 

でもあまりに寂しいので、ここに書いちゃいました。へへへ。

 

 

 

ということで、今日は2月22日。

 

にゃん(2)にゃん(2)にゃん(2)で 『猫の日』

 

ウチの猫所長から最後に御挨拶を

 

View this post on Instagram

当事務所の猫所長。 #2月22日 #にゃんにゃんにゃん #猫の日 #猫所長

高田労働衛生コンサルタント事務所さん(@takadaoffice)がシェアした投稿 -

 

 

019年2月22日

 

 

高田労働衛

コンサルタント事務所

名古屋市中区丸の内2丁目 

(地下鉄丸の内駅2番出口徒歩1分)

事務所スタッフ

    所長  高田 幹 

      猫所長  マハロ 

イベントのお知らせ

アクセスカウンター

counter since  2015